No.23モクタチバナ

(ヤブコウジ科・ヤブコウジ属)

モクタチバナは、
湿り気のある土壌の深い場所を
好みます。

私は、葉の感じからムニンヒメ
ツバキの若木と間違えることが
多いです。
花や実がないときでも、見分ける
方法を教えてもらいました。

それは枝の付き方です。
モクタチバナの枝の付け根が
下の写真のようにふくらみます。

(2003年8月:父島・初寝海岸入口付近)
(2002年6月:父島・初寝海岸入口付近)

モクタチバナは、
六月頃に葉の脇から
散房花序( 花は多数で、
全体は円すい形を逆さ
にした形になる。
柄がつき互生するが
下の花の柄ほど長い。)
をのばし、花弁が5枚で
白色の小花をたくさんつ
けます。
小花は直径5ミリほど
です。

(2003年6月:父島・初寝海岸入口付近)
(2003年2月:父島・初寝海岸入口付近) (2003年9月:父島・初寝海岸入口付近)

モクタチバナの果実は1〜2月に赤く熟します。
果実は液果(中身に液をたくさん含む果実の
こと。ミカン、モモなど、多くのくだものは液果
である。)で、大きさは8ミリ前後です。
戦前は子どもたちがこれを食べたと言われています。

モクタチバナの葉は、枝先に集まり互生(互い
違いにつくこと)し、長楕円形で先が尖っています。
また、全縁(葉の縁に鋸歯:ぎざぎざがない)で
葉に厚みがあります。
表面は葉脈が目立たないです。

長い雨の日々が終わり
小笠原に強い日差しが戻る頃、
モクタチバナの実生が出てきます。

子葉は楕円形。
葉は長卵形で、2枚目、3枚目になってくると
小さな鋸歯があります。
茎は太く、茶褐色をしています。
(2008年6月:父島・初寝海岸入口付近)


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