No.61オガサワラモクレイシ

固有種:マチン科)

夜明道路から東平の旧道に入ると、
左の写真のように葉の裏が病気に
なったように煤けた感じの植物が
目につきます。
オガサワラモクレイシです。

オガサワラモクレイシは、
土壌の深い湿った所を好む植物
です。また、日の当たるところより
薄暗いところにはえています。

母島石門には、7〜8メートルにも
達するオガサワラモクレイシが
あるそうです。
東平にも4メートルほどに育った
大きなオガサワラモクレイシが
あります。

(2003年1月:父島・東平)
(2003年1月:父島・東平旧道) (2003年1月:父島・東平旧道)

オガサワラモクレイシのきれいな花を撮ろうと思って、
東平のあちこちを探しましたが、上の写真のように
グチャグチャと病気にかかったような
オガサワラモクレイシしかありませんでした。
最後はこれがオガサワラモクレイシなんだと思って
シャッターを切りました。
花の色は、白に近い黄緑色をしていました。
花の時期は秋です。

オガサワラモクレイシの果実がみのるのは、
翌年の夏ごろです。
果実は、ユリやスミレのような刮ハです。
実が熟すと、縦に割れて種子が飛び散るのだそうです。
東平の中を、縦に割れた刮ハを求めて探しましたが、
9月下旬にようやく巡り会えました。
大きく二つに割れていました。(下の写真)

オガサワラモクレイシの葉
は、対生(対になっている)
し楕円形をしています。
表面が濃い緑色をした
やわらかな葉です。
葉柄はやや長くて太いです。
葉脈は、左の写真のように
裏面にはっきりと出ます。             


(2003年9月:東平)
(2003年2月:父島・東平)

実生は、春に芽生えます。

オガサワラモクレイシの実生は、
私が想像していたより小さなものでした。

無毛の親とは異なり、
白い毛が密生しているのが特徴です。

子葉は、長さ3mm程、楕円形〜卵形。
葉も5mm程度と小さいです。

(2009年2月:父島・東平)

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