No.75オオバシマムラサキ

固有種:クマツヅラ科)

小笠原には自生するムラサキ
シキブ属が3種あります。
オオバシマムラサキとシマ
ムラサキ、ウラジロコムラサキの
3種です。
オオバシマムラサキは、その中で
最も目につくものです。
オオバシマムラサキは、
父島、母島だけでなく属島にも
広く分布しています。

(2003年5月:父島・巽道路終点)

オオバシマムラサキは5〜6月頃に
花を咲かせます。
花は集散花序(最初の花は軸の先端
につき、その下から出る側枝に次の
花をつける。これをくり返して次々に
花がついていくような花の付き方の
こと。)で、淡いピンクの小花をたく
さんつけます。

母島などに生息していた:今でも
わずかに生息していることを期待
している:オガサワラシジミ(蝶:
天然記念物ですが絶滅が心配され
ている。)の幼虫はオオバシマムラ
サキの花芽を食べます。(食草)

(2003年6月:父島・東平)
オオバシマムラサキの果実
(2003年11月:母島・乳房山)
ウラジロコムラサキの花(2003年6月:東平)

オオバシマムラサキは日当たりを好む植物です。
夜明道路を走っていると、林の縁で花を咲かせて
いるオオバシマムラサキを見ることができます。
果実は濃い紫色をし、秋に熟します。

ウラジロコムラサキは、オオバシマムラサキの
岩石風衝地(岩場で風の強くあたる所)に生える
変種だと言われています。

ウラジロコムラサキは、葉が厚く小型化し、
名前の通り葉の裏面に銀白色の毛が
密生しています。

それに比べ、オオバシマムラサキは、名前の
通り大形で広卵形で先がとがっています。


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