No.73シマムラサキ

固有種:クマツヅラ科)

小笠原のムラサキシキブ属
は、3種あります。
父島、母島両列島に広く分布
するオオバシマムラサキと
父島と兄島にのみ自生する
シマムラサキ、乾燥地に適応
したウラジロコムラサキです。

東平の旧道を歩いていると
数本のシマムラサキに会え
ますが、私には花が咲いて
いないとどこにあるか分から
なくなってしまいます。

シマムラサキが蕾をつけてい
るという情報が入ったのが
7月の半ばでした。

(2003年7月:父島・東平旧道沿い)

蕾がなかなか開かないので
いらいらしているうちに8月に
なってしまいました。
とうとう、シマムラサキの花が
咲きました。
花はオオバシマムラサキに
よく似ていました。
オオバシマムラサキの花を
小さくした感じです。

木の大きさは1〜2メートル
ほどです。
保護を必要とする貴重な
固有種です。

(2003年8月:父島・東平旧道沿い)
(2003年7月:父島・東平旧道沿い) (2003年11月:父島・夜明道路・小笠原追跡所近く)

シマムラサキの葉は、オオバシマムラサキに
比べると、ずっと細長く小さい葉です。
葉柄は2センチ前後です。
葉の色は鮮緑色で、厚く光沢があります。
花が咲き終わってから、果実ができるのを
楽しみに何度も東平へ通いましたが、とうとう
果実はできませんした。

いくら待っても果実がつかないはずです。
和田さんに「これは雄株だから果実をつけま
せん。」と教えられ、他の場所へ案内されました。
急な斜面にシマムラサキはありました。
わずかに色づき始めた果実がたわわに
実っていました。感激しました。
1週間後、紫色の果実を見に来よう。


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