クズ
Pueraria lobata (Willd.) Ohwi
(マメ科)

(写真は全て2005年8月:父島・亜熱帯農業センター)
 クズは、小笠原諸島では父島のみに分布する外来植物です。
戦前からは、東平(武田牧場)のものが知られています。亜熱帯農業センターの敷地で私が初めて見たのは、かれこれ4、5年になります。この間に少しずつ横に広がっているようです。

それでも、今まで花を咲かせていませんでした。東平のものも、繁殖力がなく弱弱しい。
他に、清瀬に単発的に生えた事があると聞いた事があります。
(2005年8月:父島・亜熱帯農業センター)
 8月、初めて花と実をつけました。
今まで咲かなかったのは、株が大きくならないと花を咲かせないのでしょうか・・・。
つるはコンクリートのフェンスを上り、さらに上の樹木のまで巻きついて、樹冠でも青々とした葉を茂らせていました。
葉は三出複葉(3つに分かれた葉)で、1つが手のひらほどある大きな葉をしています。
茎と葉には細かな毛が覆う。
見上げると、樹高の高い場所にもいくつか花が咲いているのが見えました。
根は、葛粉や葛根湯の原料になります。

 小笠原では、今まで本州の高速道路沿いなどで見られるような強い繁殖力はみられませんでしたが、今年これだけ大きな株になり開花と結実をした事で、今後注意が必要な植物です。

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