NO.10 シマカコソウ
Ajuga boninsimae Maxim.

固有種:シソ科・キランソウ属)

植物全体が短毛に覆われたシマカコソウをはじめて山で見つけることが出来たときは、とても感動してしばらく見入ってしまった。

それほど自生地は限られていて、しかもこの自生地のわずか一角にしか生えていません。緊急に保護の必要な植物のひとつでしょう。ノヤギの食害があると言われています。


岩石地に土壌がやや厚くある斜面にわずかに見ることが出来たシマカコソウは、それでもしっかりとした生命力を感じました。(しかし少ない。)
シマカコソウは、他の植物が住みにくい場所にあえて好んで生育しているのでしょうか。。。それとも、他の植物に追いやられて絶滅に瀕しているのでしょうか。。。
(2004年12月:父島)

草丈は、約20cmほどです。

全株短毛に覆われ、細長い走出枝(イチゴなどにもみられる地上を這う枝)を出し、根を下ろして根出葉をつけます。
葉は丸みを帯び、波形の鋸歯があります。

葉は対生。花のピークは12月から1月、4月にもまばらに咲いていました。
花は、ほぼ白に見えますが、淡い紫色をしているのがやっとアップになってわかる程度に色付く。種子は春ごろ熟しているのを見ました。

シマカコソウは「島夏枯草」と書き、夏は枯れると図鑑には載っていますが、私が見る限り夏も健在です。

本州〜四国の丘陵地に産するジュウニヒトエ(A.nipponensis Makino)や、東南アジアのオニキランソウ(A.dictyocarpa Hayata)が近縁とされています。

 環境省のレッドデータープランツでは、シマカコソウは、危惧種の中でも最も野生絶滅の危険が高いとされる絶滅危惧種IA類(CR)に指定されています。
草本の植物は、どう守っていったらいいのでしょうか。。。私には、ヤギの問題も含めた周りの環境保全しかないように思いました。

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