バラアサガオ
(別名:ウッド・ローズ)
Merremia tuberosa

(ヒルガオ科)

(2004年11月:父島・扇浦)
 バラアサガオは熱帯アメリカ原産の植物で、世界中の熱帯〜亜熱帯に帰化しています。
英名はWood Rose。別名は英名由来と思われます。
枯れた果実をウッド・ローズといい、主にこの名前で島民に親しまれています。

ハワイなどでは、ドライフラワーのような果実(左下の写真)を加工してお土産として売っていると聞きます。
小笠原でも、花の少ない時期の花の代用として、部屋や車の装飾としてこの果実を飾る人が多いです。

葉は、手のひらくらいの大きさで、鮮緑色。7深裂掌状葉です。
茎は、鮮緑色〜褐色。

花期は、11〜12月頃。長い花茎を伸ばし、漏斗状の黄色い花を一面に咲かせます。

果期は、2〜3月頃。
かば色の光沢がある大きな果実を実らせます。
果実の中には、種子が4個ずつ入っています。
種子は、1.5cm程。黒色の短毛に覆われています。

 バラアサガオは、水分条件のよいところで時に巨大な群落をつくります。とくに小曲や洲崎では、他の外来植物を圧倒しています。

バラアサガオの群落は、2006年9月の大きな台風の時に一面枯れて衰退しましたが、現在は以前にも増して旺盛に広がっています。

 父島での分布は、清瀬、境浦、小曲、洲崎、北袋沢など。
2002年ごろには、東平近くの車道で50cm程度の苗が見つかったこともありました。これは、車内に置いた果実からのこぼれ種だろうと思います。

バラアサガオは、園芸としても花や果実が美しく、小笠原の気候にも合っている植物ですが、非常に強い外来植物ということもできます。育てるときには、十分な広さをとり他の場所に広がらないような管理が大切です。
 
 果実(2008年5月:父島・洲崎) 種子
ギンネム林を覆いつくすバラアサガオの群落(2008年5月:父島・洲崎)


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